今年の郷土資料館「春の自然観察会」が、粟野地区公園で行われました。
日 時 2016年3月5日(土) 9:00 ~ 12:00
集 合 粟野コミュニティセンター
講 師 都市鳥研究会顧問・元鎌ケ谷市史編さん事業団団員 唐沢 孝一 氏
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「広報かまがや」 2016年2月15日号 掲載 |
はじめに粟野コミセンで講話をお聞きしたあと、粟野地区公園へと向かいました。
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「雑木林」の意味について話す唐沢先生 |
唐沢先生
「雑木林は、雑な木の集まりではない。 「雑」の字の左部分は、「衣」→「卒」→「卆」と変化したものであり、左部分は「集」という字だ。 様々な木が寄り集まって形成されているのが雑木林である。 「生物多様性」そのものを表している言葉だ」
唐沢先生の説明のうちで、きちんと憶えられなかった部分を、白川 静『常用字解』(平凡社 2003)の「雑」の解説により補います。
「衣を染めるのに、多くの草木の染め汁を使ったのでさまざまな色あいの衣ができた。 多くの色が集まりまじることを雑という。 それで雑はすべてのものについて「まじる」の意味となる」
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コナラのひこばえを手に取る唐沢先生 |
唐沢先生
「こうして萌芽更新があり、再生されていくのが雑木林である。 老木となりすでに萌芽更新ができなくなっている木は伐ってしまわなければならない。 そうしないと、この森は いずれ常緑樹に覆われ、さらに暗くなっていってしまう」
散策路のエノキ広場から南門にかけては、クヌギ・コナラ林であり、この樹林地では ここだけが落葉樹(陽樹)の明るい林です。
唐沢先生は
「常緑樹(陰樹)ばかりになると林床に光が当たらなくなり多様な植物が生育しなってしまう」と繰り返し話され、この樹林地の暗さを指摘されていました。
粟野コミセンに戻ったあと、唐沢先生は
「この樹林地には多くの人に来てもらう必要がある。 そうすることにより樹林地は守られることになる。 このことを忘れないでほしい」といったことをまとめとして話されました。
このことは道々 繰り返し話されていたので、よほどの思いと考えがおありなのだろうと感じました。